Trouble in Mind聞き比べ(第8回)

 今日紹介するのはMemphis Slim版。

Memphis Slim版(BMP= 60 )

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演者のアルファベット順に紹介する予定でしたが、Trouble in Mindが収録されているとは知らずに買ったCDに収録されていたので先に紹介します(CDにて購入したのですが、iTunes Storeでも売っているのでURLは載せておきます)。

 名前だけは知っているものの、伝記的な事柄が分かっていないので、早速wikipedia(en)で検索。

「John "Memphis Slim" Chatman(September 3, 1915, Memphis, Tennessee, United States − February 24, 1988, in Paris, France)。ブルースピアニスト/歌手/作曲家。1940年にOkehレコードに初録音し、1952年、名曲"Every Day I Have the Blues"を作る。」

1960年代からはツアーで訪れたパリに居を構えて亡くなるまで主にヨーロッパ中心に活躍していたそうです。

このTrouble in Mind は、ピアノとギター・ブルースハープという構成で、Memphis Slim自身がボーカルをとってます。この曲が収録されているアルバム「Tribute to Big Bill Broonzy etc.」(1961)が、ブルースの先人を偲んで曲をカバーするというコンセプトなので、特に泥臭いブルースらしいブルースの雰囲気を感じることができますね。ゆったりとリラックスした演奏。

 恒例のランキングですが、4位につけました。弾き過ぎない、音を無闇に詰め込まない演奏に改めて感服です。ここらへんは貫禄とか年季の問題なんでしょうね。


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これまでの私的Trouble in Mind ランキング
1)King Curtis
2)Dinah Washington
3)Amos Milburn (a)
4)Memphis Slim
5)Alice Di Micele
6)Alec Seward
7)Amos Milburn (b)
8)Muddy Waters
9)Richard M Jones
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三上寛の歌う「ギターを持った渡り鳥」

年度も変わったので、久しぶりに書き込みます。

「われは昭和の児ならずや」と題して、そこはかとなく昭和を感じられるものをご紹介しようかと思います。

 今回紹介するのは、三上寛の歌う「ギターを持った渡り鳥」。深作欣二監督の「新仁義なき戦い 組長の首」の一シーンです。
 三上さんは主人公の菅原文太を慕ってとりまいているチンピラ。かれは小林旭を自称してギターの流しをしてます。そんなある日、菅原文太の潜伏先のアパートで暇のつれづれに三上さんが歌うのが「ギターを持った渡り鳥」。

 ストーリーの展開上では、とりたてて重要なシーンではないのですが、絵が素晴らしい。ゆるやかに動くカメラで北九州の海にしずむ夕日を捉え、次に潜伏先のアパートの外観(いかにも昭和な文化住宅という建家)を右移動するカメラで撮り、部屋に入って三上さんのギターのアップから歌っている顔を映し、最後に昼寝している菅原文太の姿。

 北九州の海岸の、工場がガチャガチャと立て込んだ中から漏れてくる夕日は、美しいとはいえ一抹の侘びしさも感じさせます。「ギターを持った渡り鳥」といえば、当然小林旭主演の日活アクションを思い起こさずにいられませんが、小林旭主演作品での全く屈託ない夕焼けとのコントラストが、しがない昭和ヤクザのうら寂しさを強く印象づけていたと思います。基本的に殺伐とした「仁義なき」シリーズですが、この美しい夕日のシーンは深作監督の作品の中でも私の最も好きな絵の一つ。

 このシーンを見て、ふと三上さんの「夢は夜ひらく」を思い出してしまいました。彼の歌の中でも、「夢は夜ひらく」はよく知られたものだと思いますが、一節に

「夢は夜ひらく唄っても
 ひらく夢などあるじゃなし
 まして夜などくるじゃなし」

とあります。劇中の三上さんは、結局虫けらのように殺されてしまうのですが、小林旭の歌を歌ったところで、小林旭のようなヒーローにはなれなかったワケですね。



「ドイツ・ポスター 1890-1933」展を見てきました

 12月23日に「ドイツ・ポスター 1890-1933」という展覧会に行ってきました。ひょんなことから展覧会の準備に少しだけ関わった(ほんの爪の先程度のお手伝いですが)こともあって、前々から見にいきたいと思っていたのですが、京都国立近代美術館→豊田市美術館→宇都宮美術館という東京在住者にはちょっとつらい巡業経路であったため、ついつい機会を逸していました。しかし、12月28日でいよいよ終了してしまうということで、重い腰をあげて宇都宮美術館まで行ってまいりました。

宇都宮美術館ホームページ
http://u-moa.jp/jp/index.html

 印刷物とはいえ、やはり大判のポスターは現物でみると迫力があります。事前に展覧会のカタログは拝見していたのですが、実際に美術館に足を運んだ甲斐がありましたです。美術館の建物自体も平成9年開館と新しく、周りが森に囲まれていることもあってとても雰囲気のよい展示になっていました。

 ただ、いささか閉口したのが交通の便が悪いところ。宇都宮まで鉄道で2時間かかる点は、そもそも覚悟の上のことで問題ではないのですが、宇都宮駅からのアクセスがあまりよくないことが気になりました。宇都宮美術館のホームページには宇都宮駅から路線バスに乗るように説明があったのですが、駅に着いたらちょうど10分前に目当てのバスが出たところ。で、次のバスはいつ出るのか時刻表で確認したら、なんと1時間後!。

 美術館のホームページには、バスで20分程度とあったのですが、『市街地の路線バスは、脇道に入りながら客を拾っていくから、直線で美術館まで歩けばそんなに時間がかからないかも。少なくとも1時間以内に着くだろう。』と安易な判断で歩き始めたのが運の尽き。歩けども歩けども建物の姿は見えず。結局、途中で駅で一時間待っていれば乗れたはずのバスに見事に抜かれ70分ほどで到着(あまりの道の遠さに結構走ったりしていたので、普通に歩いていたら1時間半はかかった筈)。ポスターを見る前にヘトヘトになってしまいました。

 とてもキレイな美術館だったので、交通手段がもう少し充実させればより便利になるのに、と思ったのですが、美術館の駐車場の大きさをみて考えを改めました。以前から、栃木は自動車社会だと聞いていましたが、バスなどを用意しなくても近在の人は車で来ちゃうんですね、きっと。

 そういえば、駅前の通りには歩いている人がほとんどいなかったのですが、それに比べて車の通行量がとても多いことに驚かされました。買い物なども、駅前の商店ではなく、いわゆるロードサイドの大規模店舗に行くのでしょう。車の運転が苦にならない人にとっては、都心よりもむしろ便利な環境だとは思うのですが、当方車の運転が苦手なので、ちょっと暮らしにくそう、と思ってしまいました(車の運転が難しくなったお年寄りなんかは、やっぱり暮らしにくいんじゃないかなぁ)。

Trouble in Mind聞き比べ(第7回)

 今日紹介するのは前回と同じAmos Milburnによる別バージョンです。



Amos Milburn版(b)(BMP=60)
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 いつ録音されたものかが分からないのですが、楽器の編成は、ドラム・エレキベース・ギター2本・ピアノという編成です。おそらく前回に紹介したものよりも新しい録音でしょう。惜しむらくは録音の状態があまりよくないこと。特にボーカルの音質に問題あり。

 前回のバージョンは、いかにも初期のリズム&ブルースという構成でしたが、今回のはホーンセクションを排した楽器編成で、ベースもウッドベースからエレキベースに変わって、よりモダンなブルースになっています。


 最後にランキング。録音状態が悪いこともあって少し下の6位に入れました。もしかしたら全盛期を過ぎたレコーディングで、声があまり出なくなっているのかもしれません。


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これまでの私的Trouble in Mind ランキング
1)King Curtis
2)Dinah Washington
3)Amos Milburn (a)
4)Alice Di Micele
5)Alec Seward
6)Amos Milburn (b)
7)Muddy Waters
8)Richard M Jones
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小室哲哉氏逮捕に思うことなど

 正直に申しますと、当方、小室哲哉氏の関係しているCDはこれまで一度も購入したこともないし、それどころか、おそらく一曲も頭から終わりまでちゃんと聞いたことがないので、こんな人間がこの事件に突っ込みを入れてよいものかどうか躊躇しましたが、とりあえずコメントしてみます。

 報道によると、どうも香港でのビジネスに失敗して多額の借金を背負ったとのことですが、この香港の会社設立にあたって小室氏は「ハリウッドに進出する近道は中国だ」などと関係者に語っていたそうです。いわゆる「関係者筋の話」なので、どれぐらい信憑性があるのか分かりませんが、この言葉を聞いての私の感想。

「へー、小室さんって本気で音楽活動で世界征服するつもりだったんだ。」

 実際のところ、90年代後半の稼ぎだけで一生遊んで暮らせたと思いますが、にも関わらず持ち金をつぎ込んでさらにビジネスを拡大しようとしていたらしい。

 実のところ、90年代の小室さんは、いい意味でも悪い意味でも『商売』として割り切って曲作ってたんだろうと、私は考えてました。先端を行くダンスミュージックと、サビ部分だけは特に丁寧に作られたメロディーラインを組み合わせて(乱造気味と言っていいと思いますが)たくさんの曲をつくって売り抜ける、という戦略。確かに、小室さんにはきれいなメロディーを作る才能はあったのだとは思いますが、ビート周りは言っちゃ悪いですが借り物。アタマのいい小室さんですから、そんなことは先刻ご承知のはずで、だから彼は「国内市場専用の音楽」という見切りをもって、「儲ける時に儲けちゃえ」と活動しているのだと想像していたわけです。いわば、計算づくのビジネスマンの姿ですね。

 ところが、どうもご本人は国内同様の戦略で世界に出ていけると判断していたらしい。もしかしたら、大ヒット連発の陰で、口うるさい音楽ファンから、『あんなの洋楽のパクリじゃん』とか『今さら「レイブ」とか急に持ち上げられても、今西暦何年ですか、って話やん』とか『昔、ハウスのオーザックのCMに出てはりましたよね、確か』などと陰口をたたかれているのに我慢ができず、『今に世界進出して、奴らを見返してやるー!』と頭に血が昇ってしまったのかもしれません。

 個人的には小室さんの音楽には興味がなかったので全然聞いてはいなかったですが、日本の音楽ビジネス的には純粋にお金儲けのため全力をつくすタイプのクールな職人ってのも存在して欲しいので、今回の小室さんの騒動はちょっと残念でしたね。彼はそのタイプの職人になれる人材だったと思われるので。

 今回の騒動で、思い出したのがイギリスの3人組のストック・エイトキン・ウォーターマン。小室さんのちょうど10年程前の音楽プロデューサーチームで、カイリー・ミノーグやリック・アストリー、バナナラマをプロデュースしていた、というと思いだされる方も多いはず。彼らも当時流行のユーロビートに歌いやすいモータウン風のメロディーを合わせて楽曲を連発リリース。世界中でヒットして大儲けしました(商売のやり方も小室さんに似てますね)。

 90年代に入ってトンと名前を聞かなくなりましたが、3年ほど前にスカパーのディスカバリーチャンネルを見ていたら、偶然3人組の1人、ピート・ウォーターマンに出くわしました。その番組は別に音楽がらみでもなんでもなくて、世界の鉄道マニア紹介番組。なんとウォーターマンさんは英国でも有数な鉄ちゃんで、プライベートの鉄道路線を持ち、「フライングスコッツマン」といった有名な蒸気機関車やら、日本の新幹線に触発されて作った英国のHSTやらを保有し、動態保存してました。早い話が、音楽ビジネスで儲けるだけ儲けて、いまは悠々自適というワケ。

 小室さんも、変な色気を出さずに適当なところで第一線から逃げちゃえばよかったのに。イギリスでは伝統的に、成功したら田舎に引っ込んで隠遁生活という王道がありますが、今の日本だと「生涯現役」路線一本やりで息苦しいですね。小室さんもその犠牲者でしょうか。江戸の頃には隠居という制度が確立していたようですけれど...。

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