絶對城(築92年 西武新宿線新井薬師駅より徒歩12分)

 もう先々月のことになってしまいましたが、10月末の週末に、中野の哲学堂公園に行って来ました。哲学堂公園についてはこちらの哲学堂公園サイトや、中野区のページを参照のこと。今回は「公共図書館探訪」カテゴリーということで、公園内の「絶對城」を紹介します。

哲学堂公園では、通常は建物の中に立ち入りできないのですが、年に2回、ゴールデンウィーク中と10月中の土日は入ることができるとのこと。よい機会なので中まで覗いてきました。

 この公園は東洋大学の創立者井上圓了博士が自ら作ったもので、学問としての哲学を視覚的に表現し、国民の精神生活の向上を図るという意図があったといいます。私財をなげうって大衆の教育に尽くすというのですから、その崇高な意志には敬服せざるを得ません。だけど、行ったことがある人ならお分かりかと思いますが、この公園何かヘンなんですよね。雰囲気としては、有名な香港のタイガーバームガーデンのような。もし大正時代に「探偵ナイトスクープ」があったら、桂小枝師匠がパラダイスとして紹介していたに違いないと思われます。

公園内の施設の名前の微妙さもイイです。

「哲理門、六賢臺、三學亭、常識門、髑髏庵、無盡藏、宇宙館、鬼神窟、演繹観、倫理淵、理性島、概念橋、主観亭、唯物園、唯心庭」などなど。

特に印象に残るのが、「懐疑巷」という辻。唯物園と唯心庭の中間にあるのですが、「行こうか唯物、返ろうか唯心、此処が思案の懐疑巷」と言われているそうな。

 さて、今回公園訪問のそもそもの目的、「絶對城」を紹介します。中野区ホームページの哲学堂公園の絶對城紹介部分の説明を引用。

「万巻の書を哲学界の万象とみたて、それを読み尽くせば「絶対の妙境」に到達するという寓意から図書館を絶対城と名づけました。圓了の蔵書を中心とした図書館で、内部右側に国書・漢書を左側に仏書を収蔵していましたが、図書館本来の目的は果たさず今日に至っています。階上は観念脚と呼ばれる部分で、閲覧室に、現在はとりこわされている屋上には観望台を置いていました。」

残念ながら実際には一般に蔵書を公開することはなかったようですが、構想としては公園を訪れた人なら誰でも使える図書館を目指していたとのこと。絶對城に所蔵されていた井上博士の書籍は現在は東洋大学の図書館に移管されています。

建物の外観については、哲学堂公園サイトのこのページに写真があります。白壁の建物です。



建物の入り口右外側の石碑



入り口から建物内部を見たところ。右上左上は中二階。大正の時代から図書館には吹き抜けがあったんですな。「絶對城」の額の下には「美眞善」という額らしきものが。



近づいて見ると、文字がくりぬいてあります。



額の裏側は光が通り抜けて文字が影絵のように映っていました。キレイですね。

紹介した写真だけでは建物の大きさがつかみにくいと思いますが、結構小ぶりなものでした(木造二階建て)。書架スペース兼閲覧室の大きさは、小学校の教室2つ分ぐらいだったと思います。書籍は一冊も残っていませんでしたが、年季の入った木製の書架が残されていて、かつて東西の様々な本が収蔵されていた時代を偲ばせてくれました。

豊島区立旧中央図書館(都電荒川線向原駅徒歩5分)

 前のエントリーで豊島区の新しい中央図書館を紹介しましたが、今年の3月まで営業していた旧中央図書館がどうなっているのか見てきました。





 旧図書館は豊島区東池袋5-39-18にありました。春日通りに面しています。3階建ての茶色の建物。一階右側の白い部分は車庫で、地域の消防団の消防車が駐車してました。



図書館の入り口は2階です。



現在は立ち入り禁止。



エントランス部分に館内の案内図が残っていました。



一階の案内図。児童室や点字図書館、区民集会場。閉架書庫もあります。



二階に受付カウンター。



三階には閲覧室、事務室。それと忘れてはならないのが食堂(字が読みにくいですが、「冷水機」というテプラの上に「食堂」と書かれています)。旧図書館では3月末の閉館まで、ここで食堂が営業してました。高校の学食といった風情でしたね。残念ながら、私はここで食事をしたことがなかったのですが、天ぷらソバでも食べておけばよかった。

 通常の図書館は食堂や飲食物につきもののゴキブリやその他の虫・ネズミを嫌います(本も食べちゃうから)。なので、食堂を併設するにしても、1階にちょっと離して設置する、といった工夫をするのですが、ここは図書館内のそれも最上階のど真ん中に鎮座ましましてました。で、閲覧室に時折カレーの香りがただよってきたり。

 図書館の建物としてはあまり褒められた施設ではなかったとは思うのですが、外観の古び方と相まって、昭和の暢気さを感じることができました(新図書館では、残念というか当然というか食堂は併設されていません)。

 図書館としては新図書館に機能が移りましたが、区民集会場や消防団の車庫機能があるので、まだしばらくは残っていそうな建物です。新しくなるときは、全館が公民館にでもなるんでしょうか。

豊島区立新中央図書館(新築 東池袋駅徒歩0分)

 今年7月に新しくなった豊島区立中央図書館を覗いてきました。

豊島区立新中央図書館

 場所は、有楽町線東池袋駅の目の前。旧中央図書館が丸の内線の池袋駅と新大塚駅のちょうど中間にあって、少々交通の便が悪かったのに比べると雲泥の差。





 東池袋再開発のビルに入居ということで、建物もピカピカです。



 このビルには、図書館の他に区立の劇場「あうるすぽっと」も同居しています。2F、3Fがあうるすぽっとで、4F、5Fが図書館。





 利用者が自由に使える階段が案内されていないようなので、エレベーターを使って出入りするしかありません。1Fのエレベーターホールには、警備員1人が常駐しているようです。図書館は常に人の出入りが発生するんですが、エレベーター必須はちょっと不便ですね。劇場の入退場は開場時と終演時に限られるので、図書館を下の階に劇場を上の階にして、図書館の出入りは階段も使えるようにしたほうが人の流れがよくなるように思います。
(もしかしたら、わざと出入りを難しくしたのかもしれません。旧中央図書館では、「資料を利用しない方の入場はお断りしています」といった類の掲示がありました。おそらくホームレスの方への注意書きなのだと思います。繁華街に近い場所柄、確かに旧図書館では浮浪者風の方はよく見ました。もちろん、どんな風体であろうと図書館で学習する権利はあることは当然なのですが、寒さや暑さをしのいで昼寝をしに来る人も多いのも現実。また、他の利用者からの悪臭に対する苦情も多いでしょう。公共図書館としては難しい問題の一つですね。ただし、新図書館のエレベーター配置がその対策なのかは、当方の勝手な憶測です。正しいかどうかは分かりません。)

 館内は写真撮影厳禁なので、図書館のWebサイトのパンフレットを参照下さい。ビルの4F5Fの図書館ですが、吹き抜けを大きくとってあるので、5F部分はフロアが狭くなっています。開放感の演出のためか大きめの図書館では必ずといっていいほど吹き抜けが作られていますが、これって本当に必要なんですかね。閲覧する環境としてはいいのかもしれませんが、どこの図書館でも「本の置き場所がない」って苦労してるんですから、最初から全てフロアにして本棚を設置しておけばいいのに。

 新図書館に変わって一番の改善点は、所蔵資料にICタグを付けたこと。利用者が自分で操作する自動貸出装置もICタグ対応になっています。これまでだと、資料に貼付されたバーコードをリーダにかざして資料を機械に認識させる必要があったのですが、装置の上に本を置くだけで認識。簡単です。

その他目についた点。
1)館内に設置してある携帯電話ブース
公衆電話のようなボックスがあって、館内で携帯電話で通話したい場合はその中で使ってくれとのこと(防音効果があるボックスのようですが、ここまでのサービスは果たして必要か?)。
2)トイレのアナウンス
トイレの前を通りかかかると、自動的に「こちらは男性用トイレです」とか「こちらは女性用トイレです」というアナウンスが流れます。これは目の不自由な方への案内のようです。

 ここの図書館は、落語CDの所蔵が多くてよく利用していたのですが、新しい図書館になっても枝雀師匠のDVDなどの購入も始めたようで嬉しい限りです。落語好きの方は一度利用してみてはいかがでしょう。

 ちなみに豊島区立図書館は誰でも貸出カードが作れます(身分証明書は必要)。図書館のある区とか市に住んでいないと貸出カードを発行しないという公共図書館が多いですが、ここはその制限はありません。北海道在住の方でもカードを作ることは可能だと思います(多分)。太っ腹ですねー。

 余談ですが、本日9月11日に図書館の下の「あうるすぽっと」で小沢昭一さんの「三遊亭 圓朝と正岡 容」という講演会があります。入場無料なので先日申し込んだのですが、残念ながら抽選で落ちてしまいました。桂米朝師匠のファンとしては正岡容師を通して兄弟弟子の小沢さんの話しを是非聞きたかったのですが残念です。

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