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弁証法的

 昨今、mixiやブログ界隈で話題になっているネタを一つ。

 首相官邸ホームページに「知的財産推進計画2007」というコーナーがあり、そこで最近、「知的財産推進計画2006」の見直しに関して募集したパブリックコメントが公開されました。この中のアップルジャパンの私的録音録画補償金制度の廃止を求めるコメントが、衆目を集めています。

団体からの意見(PDF)
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/070531/iken1.pdf


 読んで驚いたのは、内容が素晴らしく直球勝負だったこと。なんたって、

「法律家である両名氏が意図的に著作権者団体の意向にそった事実無根の詭弁を弄するのは真摯な著作権行政を審議すべき同場所で不適切であり、国家国民を愚弄する存在であると言わざるを得ない。
上記の事実を事前に承知しながら両名氏を同委員会委員に意図的に任命した文化庁著作権課の責任は重大でありその結果責任を取るべきである。就中その中心的存在であった吉川晃前著作権課長、甲野正道現著作権課長の責任忌避は免れないと考える。」

と、実名入りで非難、

「鼻から「結論ありき」の審議会運営をする著作権事務局には真摯な姿勢は微塵も感じられず、(文化庁は・・・引用者注)もはや公平公正な著作権行政を運営する適切な省庁とは言い難く、速やかに著作権行政を他の省庁に移管することを強く望む。 」

と、省庁名指しで非難ですよ。根性あるなぁ。

 昨今の縛りを強くする一方の著作権行政には疑問を持っていたので、いささか溜飲が下がった思いがしました。

 内容はさておき、読んでいて気になったのが、その文体。なんだか、気負った大学生がウンウン言いながら必死で書いているような印象があります。ネット上だと、アップル本社からの英文を翻訳したんだろう、という感想が多いようですが、どうなんでしょうか。なんとなく、自分が学生だったころ、締め切り間際のレポートを書いていて、枚数稼ぎに難しめのフレーズを知っている限り並べ立てていた思い出が蘇ってきました。

例えばこんな文章があります。

「当然の事ながら著作物を販売している音楽レーベルは事前に承知していると考
えるのが自然であり弁証法的観点からも帰納的である。」

「弁証法的観点」ですよ「弁証法的観点」。懐かしいというか、久しぶりというか、大学卒業してからは、こんな言葉とはとんと縁が離れてしまいましたなぁ。

 青い文章といえば青い文章なんでしょうけれど、外資の支社とはいえそれ相応の大きな会社が、政府に提出する書類で、こんな文章で赤目つって青筋立てて見せるってのは、個人的には嫌いじゃないですよ。

 ネットでの評判通り、原文を邦訳したため翻訳調の固い文章になってしまった、という可能性もあるのでしょうが、アップルジャパンの中の誰かが書いたと想像するとちょっと楽しいですね。大卒・もしくは院卒の若造が必死で文章書いてたりする姿が浮かんできて。

 このパブリックコメントで、ネット上では株を上げた観のあるアップルジャパンですが、現在流れているアップル社のMacの比較CM(パソコン君とMac君)の評判は最悪です(確かにうすら寒いCMですね)。いっそのこと、パソコン君と文化庁君でCM作ったらいかがかと。きっと盛り上がりますよ。


(CM例)

「どうもMacです。」
「こんにちは文化庁です。ひさしぶりにCDショップに行って来ました」
「ほう」
「妻がバリー・マニロウのCDを買って聞いているのですが、あんまりカッコイイというもので僕も聞きたくなって買ってしまいました」
「奥さんのCDは聞かないんですか?」
「妻はCDを持ち歩いて出先で聞いてますので...。」
「だったら、iPodに入れてもらってそれを聞くとか」
「とんでもない!妻の買ったCDを私的録音録画補償金制度がまだ適用されていないiPodで複製して聞いてはいけません。著作権侵害です」
「はぁ...。ずいぶんお堅いんですね...。」
「もちろん!著作権行政を担ってますから!」

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