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お雇いロシア語教師奇譚

 「東京外国語大学史」という本を読んでいたら、ロシア語学科のところに面白い記事があったので抜粋。 




初期外国人教師の横暴さ

 こうして旧外語魯語科は始動するが、教員スタッフではかなり苦労することになる。メーチニコフの回想によると、初代のロシア人教師(これは外務省語学所時代の雇い入れ)は、シイドルフといい、洋銀一七〇元の高給に気を良くして、酒びたりになりまともな授業もしなかったので、ついに生徒と取っ組み合いの喧嘩になり、解雇されたという。彼のことはシイドロフ・ヘオドルロゼレヴィッチの名で外務省資料にその記録が残っている。
 ついでジューリン・ヴィトコフスキー(『東京外国語学校沿革』ではウドコフスキー、独語科となっている)という人物が、外務省雇いから転じるが、英、独、仏、露、ラテン語にも通じたこの青年は、ポーランド系のユダヤ人で、文部省での評判も良かったが、前出の市川文吉が着任後会ってみると、なんと彼の話す言葉がロシア語でもポーランド語でもなかった(おそらくはイディッシュ語)ことが判明し、独語科へ移籍されたという。

(東京外国語大学史編.東京外国語大学史 : 独立百周年(建学百二十六年)記念 [本編] .東京,1999, p. 771-772.)




 酒を飲んで暴れたという初代もスゴイけれど、ロシア語教授というフレコミでイディッシュ語を教えていたという二代目はさらにスゴイ。ばれてからも、独語科に移って働いていたというのだから、その強心臓には驚くばかり。ちなみに、文中の市川文吉というのは、日本人として初代のロシア語主任教諭となった人とのことです。この人は、慶応元年に幕府派遣の遣魯留学生としてロシアに渡り明治六年に帰国したというからロシア語は堪能で、かの先生の化けの皮を剥いだという次第。何も知らずにロシア語を学んでいるつもりだった学生こそいいツラの皮ですな。

コメント
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  • Dima
  • 2008/05/24 10:56 PM
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